肝臓

肝臓が悪くなると食道に問題が出る…を説明する図を考える

manabi

☆試行錯誤
☆医療者向け

このブログは、あくまで自分用で、「患者さんに説明するには、こうしたらいいかな~?」とか、「レジデントに分かってもらうには、これが分かりやすいかな?」とか、試行錯誤が多分に含まれます。そして、基本的には、読者は自分なんですが、過去の自分のような、さ迷えるレジデントもうっすら頭に思い浮かべてます。

自分の気持ちの問題として、「完全に試行錯誤じゃないかコレ」と思う記事に☆試行錯誤 、「完全に医療者向けだなコレ」って記事に☆医療者向け って付けてみようかな~と。試しに。

さて、今回のお題は…。
「肝臓が悪くなると、食道に問題が出る」を、患者さんに説明するには、どうしたら分かりやすいかな?ということです。

つまり、肝硬変からの食道静脈瘤ですね。
食道静脈瘤から出血して来院される方は、説明も何も、まずは止血が必要です。
でも、止血できたあとには、どうして食道から出血したのか、説明しないといけませんよね。
それに、「健診で肝障害があると言われた」という主訴で来院したり、「内視鏡希望」で来院したりして、食道静脈瘤が見つかる方も、一定数いらっしゃいます。

外来で、自分が行っている説明は、以下の通り。
「肝硬変といって、読んで字のごとく、肝臓が硬く変化しているのです。そのために、肝臓に入っていくべき血液がうまく入れなくなり、それが逆流して、本来は細いはずの食道の静脈が広がって太くなり、こぶのようになります。それを食道静脈瘤と呼びます。」

腹部臓器が印刷された既存の説明用紙に、矢印を描き込んで説明するのですが、患者さんは、分かったような、分からないような顔。そもそも、その用紙には、「肝臓」とか「胃」とかの臓器は描いてあるけど、血管はほとんど描いてないので、ざっとした矢印で説明されても、分からないですよね…。

でもなかなか、臓器だけならまだしも、複雑な血管走行まで描き込んだ絵って、ない、というか、そりゃ書籍にはもちろん載ってますけど、あまりにも要素が多いんですよね。

なんかこう、もうちょっと簡潔に説明できないか…。
そう思って、色々教科書を読んで考えてました。

結論。
無理だ。
簡潔にできません!

最低限の譲れないラインを描いた絵が、これです。

いろいろ、「門脈以外の血管の名称を描かなくていいのか」とか、「左胃静脈の流入部位は数パターンあるのだが」とか、雑念がよぎりますが、たぶん、患者さんにとっては、とりあえず臓器と血管の位置関係が分かればよいかと。

このような図を基本として、適宜、矢印を描き込んで説明したらいいかな。

緑色の矢印が、通常の血液の流れ。
消化管から集まった血液が、門脈という大きな血管を通って、肝臓に運ばれて、解毒その他、さまざまな代謝を受けて、肝静脈に流れ出る。
それが、肝臓が「硬く」なっていると(難しく言えば、肝内血管抵抗の増大)、うまく肝臓に入ることができず、逆向きの(肝臓から離れる方向=難しく言えば、遠肝性)血流となってしまう。それが赤矢印。

その結果として、食道の粘膜下の血管まで影響が押し寄せて、静脈瘤が出来ると。

どうかな?今度機会があったら、これで説明してみよう。
それにしても、やはり血管系は内科医にとってはパッと描くのは難しい…。でも描くと勉強になりますね。

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とある病院で働く内科医。物覚え悪し。
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